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仕事の優先順位のつけ方|どれも急ぎと言われたときの考え方

仕事の順番を整理するカードとカレンダー、時計のイラスト

朝決めた仕事へ手をつける前に、別の依頼が来る。どちらが先か聞けば、どちらも急ぎだと言われる。仕事の優先順位をつける話が、いつの間にか、全部間に合わせる話に変わっている。

順番を決めることと、仕事に使える時間を増やすことは別である。まず、何がいつまでに必要で、何を後へ回すと困るのか。その違いを整理したい。

目次

仕事の優先順位は、何を基準につけるか

締切までの余裕、遅れた場合の影響、ほかの人の仕事を止めているか、必要な作業時間を並べて考える。急ぎかどうかと、重要かどうかは別の軸になる。依頼された順や声の大きさだけで決めず、まず次に着手する一件を選ぶと整理しやすい。

一九八三年、巨人との日本シリーズ第六戦。西武は九回に逆転されたが、その裏に追いつき、延長十回、代打の金森栄治の二塁打でサヨナラ勝ちした。負ければ終わりという試合でも、先に必要だったのは、次の試合の相談ではなく、今の一点だった。

会社の上司には、三つの仕事をすべて最優先にする人間がいる。それでは、何を選んだかがわからない。全部が大切だという説明は、選ぶ仕事を担当者へ渡したというだけのことである。

私は、何を先にするかを言った者には、何を後へ回すかも言わせたい。上司が新しい仕事を持ってくるたびに、今ある仕事を見えないところへ押し込めては、後で遅れた理由まで若い者が説明することになる。

巨人の幹部が、勝つことも育てることも大切だと言うのは結構だ。だが、それだけでは、今日誰に何をさせるのかが見えない。立派な方針を二つ並べたから、判断まで二つ済んだことにはならない。

第六戦の金森は、最初から十回裏の打席に立っていたのではない。そこへ至るまでの仕事があり、最後に代打の仕事があった。会社も、最後に説明した者だけを仕事の中心に置くようでは、その前に進めた者を育てる話まで都合よく消えてしまう。

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どれも急ぎと言われ、順番を決められないときは

依頼ごとの締切・必要時間・遅れた場合の影響を示し、同時には終わらない仕事の順番を責任者に確認する。たとえば「Aを先に進めるとBは明日になります。Bを今日中にするならAの期限調整が必要です。どちらを優先しますか」と、選択肢と結果を一緒に伝える方法がある。

複数の上司がそれぞれ最優先と言うなら、担当者だけでは決められない。上司同士が相談する話である。若い者が両方へ頭を下げている間、上司が二人とも、自分の指示は通ったと思っていてはいけない。

一九八三年の第七戦は、巨人に二点先行された。七回、スティーブが出て、田淵幸一が四球を選び、大田卓司の内野安打で満塁になった。そこでテリーが二塁打を打ち、三人がかえって逆転した。

一人が三人分の仕事を同時にしたのではない。つないだ打席と、かえした打席があった。会社で三人がそれぞれ自分の仕事だけ先にしろと言えば、つなぐ順序はどうなるのか。順番をつけることを、皆の機嫌を同時に取ることと考える上司には、まず、その七回を見せたい。

上司へ何の判断を求めるかが曖昧な場合は、報連相のタイミングと伝え方も整理する必要がある。忙しいですという一言だけでは、何を変えればよいかは伝わりにくい。しかし、具体的に伝えても何も選ばないなら、上司の側に残っている仕事である。

巨人の幹部には、昔の試合を見ている時間はないと言う者もいるかもしれない。だが、順番を決める勉強が足りないまま、次の選手の順番を決めるほうが早いというのは、おかしな考えである。自分たちが負けた試合なら、なおさら先に見直せばよい。

割り込みで優先順位が変わったときの見直し方

新しい依頼が入ったら、緊急性と影響を確かめ、今の仕事を止める必要があるかを判断する。順番を変える場合は、後ろへ回る仕事の期限や関係者への連絡も調整する。並べ替えても収まらない量なら、担当の分散・範囲の縮小・期限変更を相談し、優先順位だけで解決しようとしない。

第六戦は九回に状況が変わり、その裏にまた変わった。初めに決めた予定を守ることと、その場で勝つために考えることは同じではない。ただ、変わった事情を説明せず、最初からそう考えていた顔をするのは感心しない。

会社でも、午前中の方針が午後に変わることはある。だが、上司が新しい指示をした時点で、前の指示までなかったことにはならない。仕事を変える手間を担当者へ渡しておいて、柔軟に対応できないと言うのは、上司が自分の変更を十分に数えていないのである。

第七戦では、逆転した後を東尾修が締めた。三点取ったことで、守る仕事が不要になったわけではない。会議で方針を決めた上司が、決まったから一件落着だと言うのも同じで、その後に誰が何を進めるかは残っている。

もっとも、巨人の幹部が新しい資料を次々にそろえ、昔の日本シリーズは後でよいと判断するなら、私は順番に異議がある。今ある資料は後でも読めるが、なぜ昔負けたかを確かめずに立てた方針は、そのまま仕事を増やしてしまう。まず、負けた試合の説明を終えることである。

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まとめ

仕事の優先順位は、締切・遅れの影響・作業のつながり・必要時間で考える。両立しない仕事は、後へ回す場合の影響も添えて責任者に確かめる。状況が変われば期限や分担も見直し、仕事量の問題を一人の判断力だけで抱えないことが大切になる。

一九八三年、西武は巨人を四勝三敗で破った。最後の二試合だけ見ても、今必要な一点を取る仕事と、その後を守る仕事があった。重要という言葉を一つ貼れば、全部が同じ仕事になるわけではない。

若い社員の仕事なら、今日終える範囲と、後へ回す範囲を決めればよい。しかし、巨人の幹部が昔の反省を、もう四十年以上前だから優先度が低いとするなら、年数の数え方が逆である。それだけ長く、まだ聞くべき説明が残っているということだ。

私はあのシリーズに勝った側だから、必要なところを話せばよい。負けた側が同じ時間で説明を終えようとしてはいけない。次の予定を決める前に、まず、こちらが聞き終わる順番である。

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