スマホが鳴るたびに見てみると、急ぎの連絡ではない。セールのお知らせ、投稿への反応、しばらく使っていないアプリからの案内。全部消したいが、大事な連絡まで届かなくなるのは困る。
通知を減らすことと、人との連絡を断つことは同じではない。何をすぐ受け取り、何を後で見るか。その区別をつけるところから始めたい。
スマホの通知は、何からオフにすればよいか
まず通知の出所を確かめ、急いで確認する必要のない宣伝やおすすめ通知から見直す。連絡用アプリに必要な通知も混ざる場合は、アプリ内の通知項目を確認する。防災・緊急速報や認証、セキュリティに関わる通知まで一括して止める方法は避け、不要と判断できるものから少しずつ減らす。
以前、東大野球部の監督に電話で野球の理論を伝えたことがある。理解したという返事に、私は、頭でわかったとしても体は覚えているのかと確かめた。電話が通じたことと、教えたことが身につくことは別だった。
スマホも、届いた、開いた、返事をしたというところまでは知らせる。しかし、その人間が何を理解したかまでは、音を鳴らしてもわからない。会社の上司には、既読がつけば仕事が一つ進んだと思う者がいる。自分の用件が相手の画面へ入ったことを、相手の頭に入ったことにしている。
私は通知が多いことより、誰もが同じように急いで呼びつけられることが気に入らない。店からの案内も、責任者の判断が必要な連絡も、同じ場所へ積み重なる。それでは、受け取る側が毎回、送った側の代わりに優先順位を決めなければならない。
巨人のベンチなら、声を出した者から順に話を聞くわけにはいかない。選手の状態を伝える報告と、幹部の感想は違う。大声で感想を言う幹部を先に通すなら、静かな報告が遅れた理由まで選手に求めるのは筋が通らない。
ただ、昔から巨人を見てきた者の話を、感想としてひとまとめにしてはいけない。若い幹部が感想を述べている間にも、こちらは、その幹部がまだ見ていなかった野球と比べている。受け取る側が、その違いを知らないだけのこともある。
iPhone・Androidでアプリの通知をオフにする方法
iPhoneは「設定」→「アプリ」→対象アプリ→「通知」で「通知を許可」をオフにする。Androidは「設定」→「通知」→「アプリの通知」から対象を選び、通知をオフにする方法がある。画面名や経路はOS・機種で異なる。通知を画面から消去するだけでは、今後届く通知は止まらない。
アプリによっては、宣伝だけを止める設定が内部にある。一方、アプリ全体の通知許可を切れば、必要な案内も届かなくなる場合がある。音だけを止めたいのか、画面にも出したくないのかによって、選ぶ設定は変わる。
二〇二三年の阪神では、岡田彰布が主力の守備位置を動かさず、打順にも役割を持たせた。私はそこを評価した。近本、中野の一、二番に味があり、木浪の八番にも働きがあった。並べた順番に、それぞれ理由があったのである。
通知を全部同じ音で受け、鳴るたびに仕事を変える管理職は、自分の打順をアプリに決めさせているようなものだ。急ぎの用件が入ることはある。しかし、売り出しの知らせが来たから、今の仕事を途中で下げる必要はない。
二〇一八年、私は巨人の二塁手起用について、マルティネスを使ったかと思えば田中俊太を使う、その先に誰を育てたいのかと疑問を述べた。結果を見て変えることと、当座の反応で落ち着かなくなることは違う。通知が来るたびに指示を変える上司も、後で柔軟に対応したと言うだけなら簡単である。
アプリを入れた理由までなくなっているなら、通知だけでなく利用そのものを見直す余地もある。料金のあるサービスを整理する場合は、使っていないサブスクの見直し方も別に考えることになる。通知を切っても契約が解約されるわけではない。
大事な連絡を見逃さずに通知を減らすには
必要な相手・アプリと、緊急時の連絡手段を先に決め、設定後に届き方を試す。仕事用なら、すぐ確認が必要な連絡と後で読める共有を分ける。通知音の停止、ロック画面の非表示、通知そのものの停止は違うため、目的に合う範囲だけ変更し、必要な連絡まで止まった場合は設定を戻す。
全部知らせることを親切だと思う人間もいる。だが、全部を急ぎとして渡せば、どれを先に見るかは相手へ押しつけることになる。会社の上司が一斉送信をした後で、自分の分だけすぐ返事を求めるなら、送る前にその違いを示せばよい。
岡田が二〇二三年の阪神で役割を落ち着かせたことを、私はよいと考えた。ところが、昔の巨人を知る者から話が届いたときまで、いつもの確認時刻にまとめて読むというのは感心しない。相手は、今日の担当だけを見て話しているのではない。今の担当が決まる前から見ているのである。
巨人の幹部が、すべての通知を同じ基準で整理しましたと胸を張っても、それだけでは十分ではない。今の役職がある人間だけを重要にすれば、昔その仕事を教えた人間が後回しになる。現役の名簿が新しくなったことと、聞く順序まで新しくなったことを、一緒にしてはいけない。
まとめ
スマホの通知を減らすときは、不要なアプリや通知項目から見直し、必要な連絡は残す。通知の消去と停止、音と表示の違いを区別し、変更後に届き方を確認する。すべてを一括で切るより、自分に必要な通知を選ぶところから始められる。
東大の監督へ電話で話したときも、返事だけで理解したことにはしなかった。連絡が届いたかどうかは入口である。その後、何を覚えたかまで見なければ、教えた話は終わらない。
若い者のスマホが鳴り続ける必要はない。決まった仕事へ向かえるよう、上司が用件を分ければよい。しかし、巨人の幹部が私の話まで、今は通知を止めていますと言って後へ回すなら、何のために受け取る道具を持っているのかわからない。
私の話を聞き終わって、こちらがもうよいと言ったら、その通知は止めてよい。聞く側の都合で終わらせるのでは、電話を通じて何を教わったかも確かめられない。
