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仕事の付箋はどう使う?用件と終わりを見失わない書き方

用件ごとにまとめた付箋とノートの水彩イラスト

机に付箋が増えていく。黄色は急ぎ、桃色は大事、青は後で。肝心の仕事は進まないのに、机だけが春の花壇になっている。

私は紙に書くことには賛成である。ただ、貼ったことで覚えなくてよくなり、貼った場所を見ることまで忘れるのなら、紙に責任を移しただけではないか。

目次

付箋は一枚に一つ、終わる行動を書く

「資料」ではなく「見積表の数量を確認する」のように、何をしたら完了か分かる一用件を書く。

ここでは個人の作業整理として、付箋一枚を一行動にする方法を勧める。大きな案件は次に動く部分へ分ける。相手への依頼なら担当者と必要な日時も書き、関係者が使う正式な管理先にも記録する。付箋だけが唯一の依頼書にならないようにする。

名詞を一つ書くと、ずいぶん大きな仕事を抱えた気分になる。「会議」と書いた紙を眺めていても、出席するのか資料を作るのかさえ分からない。

私は、小さく書くことより、小さく終えられる形にすることを買う。細かい字で一週間分を詰め込むのは、紙を節約して仕事を複雑にしている。

色より先に、貼る場所と見る時を決める

未着手・作業中・完了など、移動する意味が分かる場所を決めて使う。

三つの場所に分けるなら、作業中へ移すのは本当に取りかかるものだけにする。始業時や作業の区切りで見直し、期限のあるものは予定表にも入れる。色分けは補助とし、色が違っても読めば用件が分かる書き方にする。

石毛宏典は、1983年の日本シリーズで巨人に王手をかけられたとき、ホテルへ集まった選手の前で私が歌を口ずさんでいたように覚えていると語った。細部の記憶は確かではないともいう。ただ、厳しい状況でも負けないという調子は、選手に残っていた。

私は、貼り紙を一枚増やして雰囲気を引き締めたと報告する部長へ、その話を簡単に真似させない。どんな言葉を貼ったかより、誰がその場へ出て来たかがある。紙を目立たせれば、自分も同じように見られるという順序ではない。

だから黄色い紙を貼れば落ち着く、という話ではない。道具が示す合図を皆がどう受け取るか。その設計をせずに、色だけ増やすのは困る。

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机の付箋を、そのまま共有の記録にしない

紛失したら困る決定事項や個人情報は、職場で決めた安全な記録先に残す。

電話番号や顧客名などを机や画面の縁へ貼り続けない。人へ渡す伝言は、相手と日時、確認してほしいことを明確にし、重要なら受け取りも確認する。パスワードを書いて見える所へ貼る使い方は避ける。付箋は剥がせる便利さと、外れる弱さを併せ持つ。

紙が目の前にあると、記録がそこに残る気になる。だが、剥がれたときだけ風のせいにするのは不公平である。剥がれるのを便利だと思って買ったのである。

私は、誰も見ない立派な管理表も好きではない。ただ、机の端に貼った紙を全員が察して動く仕組みなら、管理表より先に職場の意思疎通を直したい。

終わった付箋は外し、残ったものを見直す

完了分を片づけ、何日も動かない用件は分け方・待ち先・期限を確認する。

終わった紙を残すなら、その日の振り返り用など目的を限定する。毎日残るものは、誰の回答を待つのか、次の一歩が大きすぎるのかを確認する。付箋を作り直すだけで先送りを更新しない。必要なら一覧やチームの管理ツールへ移す。

完了の紙が多いと働いた気分になる。それを永久展示にした途端、今日やることが、その陰へ隠れる。私は表彰台と作業台を一緒にしないほうがよいと思う。

巨人の昔の優勝にはいくらでも感心する。しかし、昨日の完了付箋を十年前の優勝旗と同じように残す必要はない。紙は外してよい。仕事まで消えはしない。

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まとめ

一枚一行動、見る場所と時刻、正式な記録先、外す条件を決めて付箋を使う。

石毛の記憶には、王手をかけられたホテルでの私の調子が残った。何を何枚貼ったかではなかった。私は、付箋の数が多い机を、そのまま指導の行き届いた机と呼ばない。

付箋は、一枚へ用件を一つ置き、終わった仕事は外せばよい。ただ、昔の判断を教えた者の説明まで、完了欄へ一緒に移す必要はない。今日の作業を終える札と、仕事を測る物差しは違うのである。

新しい管理職が壁を片づけたいなら、まず自分の総括を短くすればよい。先輩の一言が残る場所を、部長の新しい目標で全部埋める理由はない。紙の大きさは同じでも、受け持つ年月まで同じにはならない。

昨日の作業の付箋は外せても、昔の指導者の判定まで剥がしたことにはならない。私は、机が空いたからといって、その部長の勉強が終わったとは扱わない。

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世の中には、まだ教えることがある。話は変わるが、基本は同じだ。

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