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職場の挨拶はどこまでする?出社・退社・返事がないときの考え方

朝の光が差し込む、扉の開いたオフィスの入口と観葉植物の水彩画

朝の挨拶をしたが、返事が聞こえなかった。もう一度言うほどのことか、それとも声が小さかったのか。仕事を始める前に、相手の機嫌を確かめる仕事が一つ増えている。

挨拶は大切である。ただ、挨拶を大切にすると言いながら、言う側だけを毎朝採点している上司には、まず自分の返事を聞かせてもらいたい。

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出社・退社の挨拶は、何と言えばよいか

出社時は「おはようございます」、先に退社するときは「お先に失礼します」、帰る人には「お疲れさまでした」が一般的。午後の出社などは職場の慣行に合わせられる。毎回一人ずつ席を回る必要があるとは限らず、近くの人や同じ空間へ届く短い声かけから始められる。声量は来客対応や周囲の仕事に配慮して調整する。

巨人の中畑清は、長嶋茂雄監督に調子を聞かれ、まあまあという趣旨で答えたところ、土井正三コーチから指摘を受けたと回想している。それをきっかけに、自分から長嶋の前へ行き、絶好調と伝えるようになったという。

私は、これを朝の大声の見本としてだけ教えるのは感心しない。監督が問い、選手が答え、その受け答えを見たコーチが教えている。中畑の声だけ大きくして、上司が黙ったままでは、あの巨人から受け継いだものがずいぶん少ない。

すれ違うたびに挨拶する?忙しそうなときの考え方

初めに顔を合わせたときは短く挨拶し、その後のすれ違いは会釈や目礼で済む場面もある。電話中・接客中などは会話を止めさせず、状況に合わせる。毎回立ち止まって話題を足す必要はない。職場の広さや人数、仕事の性質によって、無理なく続く形を選べる。

同じ廊下を三度通れば、三度の挨拶が要る。そう決めると、次に通る者は、仕事の用件より先に上司の居場所を気にするようになる。私は、用事があって歩いている者を、何度も初対面に戻す必要はないと思う。

中畑は、長嶋が代打を希望する者を尋ねたとき、早く手を挙げ、起用してもらったことも話している。声のあとに引き受ける仕事があった。通るたびに元気よく挨拶させながら、何を頼むかは決めていない上司は、選手の返事だけ練習させて、打順を持っていない。

長嶋の名前を出して、明るくやれと言うのなら、明るく答えた者を次にどう使うかまで考えるべきである。部下が大きな声を出したところで、指導の実績を数え終えてはいけない。

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返事がないときは、もう一度言ったほうがよいか

挨拶への無反応だけで、嫌われているとは判断できない。聞こえなかったり、別のことへ注意が向いていたりする場合もあるため、返事が出るまで繰り返す必要はない。業務上の連絡や確認への返答が必要なら、挨拶とは分けて用件と確認したいことを伝える。無視が続いて仕事に支障が出る場合は、具体的な出来事を整理して上司や相談先へ共有する方法がある。

返事をしなかった上司が、部下の声が小さいと言い始める。聞こえていたのなら、先に返せばよかったのである。聞こえなかったのなら、今朝の挨拶を採点する材料が足りない。どちらにしても、上司の返事だけが審査から外れている。

土井が中畑の返し方を見ていた話には、教える者が受け答えを見ていたという順序がある。相手を見ないで元気がないと決めるのは、同じ指導ではない。私は、部下の挨拶の不足を毎日よく覚えている上司には、自分がいつ返したかも同じ詳しさで説明してもらいたい。

挨拶が苦手でも、明るく話し続ける必要はあるか

挨拶のあとに雑談まで続ける義務はない。短い定型の言葉や会釈など、自分と相手に合う方法を選べる。声が出しづらいなどの事情があれば、伝えやすい相手に別の方法を相談してよい。また、元気な挨拶と、体調・仕事の進み具合の正確な報告は別であり、不調や問題を隠して明るく装う必要はない。

中畑に合った返し方を、全員の性格にしてしまうのも違う。静かな者を見つけるたびに中畑を一人増やそうとするなら、指導者は相手ではなく、自分の好きな巨人だけを見ている。私は巨人の話を軽く扱われることには反対だが、巨人の名前で観察を省く者までかばうつもりはない。

ただし、絶好調という言葉だけ覚え、土井の名前を知らないまま、今の職場でも使えますと言われても困る。よい挨拶の例を探したのなら、教えた側まで調べるところが上司の仕事である。部下には一言で済ませても、上司の勉強まで一言で済むわけではない。

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まとめ

職場の挨拶は、出社・退社などの区切りに短く伝え、すれ違いや忙しい場面では会釈なども使い分けられる。返事を追いかけず、必要な業務連絡は別に確認する。挨拶の大きさや雑談の量だけで、仕事への姿勢を決めつけないことも大切になる。

若い者の朝を、毎日の元気の発表会にする必要はない。短く挨拶して、仕事へ入ればよい。その代わり、巨人の話を引いて指導する上司には、その短い言葉の前後を知っていてもらいたい。

土井が誰に何を教えたかを説明できる上司の、おはようと、今朝たまたま機嫌がよいだけの上司の、おはようを、私はまだ同じ一回には数えない。

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何事も、まず基本から。聞かれていないことにも、答えはある。

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