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雑談が苦手なときは?話題がない・知らない話でも会話をつなぐ方法

緑の中庭で丸いテーブルに三つのカップを置いた、雑談のひと休みを思わせる水彩画

何か話したほうがよいと思い、話題を探す。昨日のニュースは詳しくない。ドラマは見ていない。相手の趣味も知らない。話し始める前に、こちらの知らないことだけが、ずいぶん上手に並んでいる。

私は、誰とでもすぐ話せる者だけを、人付き合いのできる者とは数えない。よく話すのに、人の話が終わるところを知らない者もいる。雑談に入ることと、話を独占することは別である。

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雑談の話題がないときは、何から話せばよいか

その場で共有している出来事や、答えやすい身近な話から短く始められる。天候、昼食、近くの店など、相手が深い説明をしなくても返せる内容でよい。自分の小さな感想を添え、返事が短ければ無理に続けない。私生活を詮索したり、外見や誰かの悪口を入口にしたりする必要はない。

たとえば「昼に入った店が混んでいました。この近くでよく行くところはありますか」と聞ける。店の情報をすべて調べてからでなければ、昼の話もできないということはない。こちらが詳しくないところに、相手の話せる場所が残る。

巨人の末次利光は、川上哲治監督とは二、三年ほど挨拶程度しか交わせなかったと振り返っている。一年あとに入ってきた堀内恒夫が、川上と気軽に話しているのを見て、うらやましく思ったという。

同じ監督が前にいても、話せることは同じではない。ところが会社の上司は、気軽に話せと一度言えば、全員の気が軽くなると思っている。自分が話す側ではなく、話しかけられる側に座っていることを、勘定へ入れていない。

知らない話題には、どう返せばよいか

知っているふりをせず、興味を持てる一点を聞く。「詳しくないのですが、どんなところが好きなんですか」のように、知識そのものより相手の楽しみ方を尋ねる方法がある。少し分かった点には自分の感想を返す。すべての流行を追ったり、興味のない物を無理に買ったりする必要はない。

知らないという返事が、その話はつまらないという採点に聞こえると、話す場所がなくなる。逆に、よく分からないのに何でも知っていると答えれば、今度は説明を受け取る場所がなくなる。知らない物が一つあるくらいで、会話の席を立つ必要はない。

王貞治と千葉茂の古い対談では、王が、上から振ることを意識するうちに上体だけで打っていたと振り返ったところで、千葉が、いつ気づいたのかを尋ねている。王はそこから、内角球への当たりなど、自分が困った場面を説明した。

千葉は、自分の知っている打撃の話を全部並べてはいない。王が今話したところへ、一つ聞いている。巨人のコーチが選手の話を聞きながら、自分の説明を始める場所ばかり探していたら、選手の返事は次の説教の前置きになる。

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質問しても会話が続かないときは、どうするか

新しい質問を続ける前に、相手の返事の一点へ感想や短い自分の話を返す。答えを急かさず、一度にいくつも聞かない。返事が短い、忙しそうなどの場合は、話を深めず挨拶程度で終えてよい。沈黙をすべて埋めることや、毎回盛り上げることまで自分の役目にしない。

休みは何をしたか、どこへ行ったか、誰と行ったか。返事のあとに次の質問しか置かれなければ、休日の報告書になってしまう。聞く側にも、へえと思ったことや、自分が少し知っていることを渡す番がある。

千葉と王の対談にも、王の説明の中にある時点を聞いたから、その先に具体的な話が出てきたという流れがある。私は、用意した質問を残らず使ったことより、返事を受けて一つ聞けたことを重く見る。立派な質問集があっても、相手の返事で変わらないなら、それは会話ではなく順番待ちである。

反対に、話が長くなって仕事へ戻れない場合は、会話を切り上げる伝え方を別に考える。短い雑談を始められたことと、いつまでも聞くことは、同じ約束ではない。

大人数の雑談が苦手でも、話し続ける必要はあるか

ずっと発言し続ける必要はない。話の区切りでうなずく、分かった点へ短く返す、一人と話せる場で話すなど、参加の仕方を選べる。答えたくない話は深めず、断りや沈黙を尊重する。雑談の量で仕事の能力を決めることや、威圧・嫌がらせまで聞き方の問題として抱えることは避ける。

職場の付き合いでも、会社の飲み会への参加と、普段の挨拶や短い会話は分けて考えられる。一つの集まりに出なかったから、その人との話まで全部なくなったことにはならない。

末次が堀内をうらやましく見た話を、そのまま、堀内のように話せばよいという指導にするのは簡単である。しかし、それを言う上司は、末次がどこで言葉を止めていたかを見なくて済む。明るい職場と言いながら、明るく答える仕事だけを部下へ渡している。

もっとも、昔の巨人の話を、知っている人しか話せない題材と数えるのも感心しない。知らない者がいるから、知っている者の出番ができる。新しいドラマを知らなければ話題不足と言われ、川上の話を知っていれば話題が古いと言われるのでは、経験を積む者だけが不利になる。

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まとめ

雑談が苦手なときは、身近な話を短く出し、相手の返事の一点へ感想や質問を返すところから始められる。知らない話題は、知ったふりをせず興味のあるところを聞く。返事を急かさず、話さない選択や終える区切りも残す。流行の知識や発言量だけで、会話のよしあしは決まらない。

千葉が聞き、王が具体的に答える。あのように話が進めば、昔の巨人について、まだ知らなかったことが一つ増える。話題が古いかどうかを先に問う必要はない。聞く者に初めてなら、そこで新しい話ができている。

私の知らない流行については、皆で覚えるほどの話かを先に考えたい。川上や王の話なら、まだ知らない者がいることが、その場で話す理由になる。共通の話題がないのではない。共通にする話題の選び方が、まだ決まっていないのである。

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この記事を書いた人

何事も、まず基本から。聞かれていないことにも、答えはある。

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