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話が長い人への対処法|職場で会話を切り上げたいときの伝え方

向かい合う二脚の椅子と、砂時計を置いた小さなテーブルの水彩画

少しだけいいか、と呼ばれる。用件は終わったように見えるが、その用件に至るまでの経緯が始まる。こちらが一度うなずくと、今度は、前にも似たことがあって、と続く。少しという時間の中に、ずいぶん昔まで入っている。

私は、長い話をすべて無駄とは思わない。短い話でも、何を頼まれたか分からなければ、もう一度聞くことになる。ただ、聞く側に次の仕事があることまで、話の外へ置いてよいわけではない。

目次

話が長くなりそうな相手には、最初に何を伝えるか

会話を始める前に、使える時間と確認したい用件を具体的に伝える。「次の作業があるので、今は五分ほど伺えます。今日決める点から確認してもよいですか」のように、時間だけでなく目的も添える。十分に聞く必要がある話なら、別に時間を取れるかを相談する。

後の予定を作り話で用意する必要はない。今の作業へ戻る時点を伝えればよい。いつまで聞けるかを言わず、時計だけを何度も見るのでは、相手に伝わったかどうかも分からない。

広澤克実は、ヤクルト時代の野村克也監督のミーティングで、一時間ほど黒板へ書かれる内容をノートへ写し続けたと振り返っている。長かったという記憶の中に、何をしていた時間かも残っている。

会社の上司が、野村の話は長かった、とだけ覚えて部下の前に座っても、それで同じ一時間にはならない。話す時間を受け継ぐ前に、教える中身を受け継いだかである。私なら、長く話せるかより、終わったあとに相手が何を説明できるかを先に見る。

途中で切り上げたいとき、どう区切ればよいか

話の区切りで一度要点を確認し、次の行動と退出する時点を伝える。「確認したいのはAの期限という理解で合っていますか。そこを確認したら作業へ戻ります」のように、内容を受け取ったことを示して区切る。未解決の点があれば、誰がいつ確認するかを残す。

「分かりました」を何度も重ねるだけでは、相手は、まだ聞く時間があると思うこともある。聞いたという返事と、ここで終えるという返事は、同じ言葉に任せなくてもよい。

巨人の堀内恒夫は、長嶋茂雄との三塁牽制の合図が行き違った話をしている。グラブから指を出す合図を決めていたところ、長嶋が励ます動作で指を出したため、堀内は牽制の指示と受け取ったという。

私は、話を短くすることより、その短い返事で何が伝わったかを重く見る。長嶋の動作を見て堀内が動いたのなら、受け取る側だけが勝手に考えたとは済ませられない。会社の上司も、うなずいたのだから全部分かったはずだ、と言う前に、何についてうなずかれたかを確かめる必要がある。

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同じ話が続く場合や、区切っても終わらない場合は

前回聞いた内容と今回変わった点を確かめ、次に必要な確認へ戻す。区切りが守られず仕事への影響が続くなら、会話した時間や止まった作業を整理し、責任者と話す時間・連絡方法を調整する。威圧や人格への攻撃がある場合は、言い方だけで抱えず別の責任者や相談窓口につなぐ。

たとえば「前回はAと伺いました。今回は変更点の確認でしょうか」と聞ける。同じ話に聞こえても、今回だけ必要な事情があるかもしれない。長いという印象から、相手の性格や悪意まで決める必要はない。

野村の説明を写した時間と、前にも聞いたというだけで終わる会社の長話を、同じ長さで比べるのは乱暴である。しかし、野村という名前を出したら、こちらの説明にも価値がつくと考える上司も乱暴だ。昔の名将の一時間を、自分の延長申請に使ってはいけない。

複数人が集まる場そのものを見直すなら、無駄な会議と必要な会議の違いは別に考える。席を移しただけで毎回同じ説明が始まるなら、聞く人間の忍耐ではなく、話を引き受ける仕組みに残った仕事がある。

自分の説明も長くなっていないか確かめるには

最初に何の話で、相手へ何を確認・判断してほしいかを伝え、必要な背景を続ける。事実と自分の推測、今回の変更点と以前からの事情を分ける。相手が黙っているだけで理解したとせず、要点を確認する。言いづらい用件や複雑な事情まで、短く話すことだけを求めない。

質問する中身を分ける方法は、仕事での質問の仕方でも扱っている。結論を先に、と言いながら、部下が言いにくそうにしている事情を聞かないなら、上司が先に結論を怖くしている場合もある。

堀内と長嶋の合図の行き違いは、短ければ正確という採点を許さない。だからといって、長く説明すればよいという採点にもならない。巨人のコーチが、たくさん教えたから選手も十分聞いたはずだ、とするなら、聞いた後の動きを一つ説明してもらいたい。

もっとも、先輩の話を、要点が三つだから三つ分で終わり、と数えるのも感心しない。なぜその三つを選んだかが分からなければ、次の場面で別の三つを選んでしまう。短くする者には、省いてよいところまで理解したという説明が必要である。

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まとめ

話が長い相手には、先に使える時間と用件を伝え、区切りで要点と次の行動を確かめて切り上げる。繰り返す場合は変更点を確認し、仕事への影響が続けば話す仕組みも調整する。自分の説明も、聞いてほしい目的と必要な背景を分ける。短さだけで、正確さや大切さまでは測れない。

巨人の先輩が同じ説明をしたとしても、昨日入った若い選手には初めての話である。昨日いた者が、もう聞きましたと言ったところで、話した回数は同じにならない。

私なら、説明を聞いた者が次の者へ教えられるようになって、初めて一回と数える。二度聞いた、三度聞いたという申し出だけなら、先輩の話が繰り返されたのではない。まだ最初の一回が終わっていないのである。

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この記事を書いた人

何事も、まず基本から。聞かれていないことにも、答えはある。

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