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仕事の先延ばしをやめたいときは?取りかかる一歩の決め方

朝の野球場を望む木の机に、白紙と万年筆を置いた水彩画

明日から取りかかる、と決めた仕事がある。翌日になると、明日なら落ち着いてできると思う。予定表では毎日動いているのに、仕事そのものは、最初の場所から一歩も動いていない。

そこで、やる気を出そうとする。気持ちが十分になったら始めるつもりなのだろうが、十分かどうかを決めるのも自分である。着手する仕事と、着手を許可する気分が、別々に置かれている。

目次

仕事を先延ばしにするとき、最初に何を確かめるか

何から始めるか不明なのか、材料や判断が足りないのか、量が多すぎるのかを分ける。自分で始められる作業と、他の人の確認が必要な作業を区別し、止まっている場所を具体的にする。すべてを怠けや意志の弱さと決めず、業務量や期限に無理があれば責任者へ相談する。

資料を作るという仕事なら、資料の何が決まっていないのか。目的も相手も不明なら、書き始める前に聞く仕事がある。質問が必要な場所を、もっと気合いを入れるという話に直しても、空欄は埋まらない。

堀内恒夫は、巨人での初登板を前に、高校時代の監督だった菅沼から、投球練習の最初の球をバックネットへ投げるよう助言されたと回想している。試合の初球ではない。緊張している本人へ、最初の動きを具体的に示した話である。

私は、落ち着いてやれという一言で指導を終える者より、相手がどこで止まるかを考える者を評価する。もちろん、この投球をまねる必要も、仕事でわざと失敗する必要もない。菅沼が見ていた相手は堀内であって、全員に配る始業の手順ではなかった。

取りかかれない仕事は、どこまで小さく分ければよいか

「企画書を完成させる」ではなく、「指定のファイルを開き、目的と見出しを仮に書く」など、その場で行う動作に分ける。最初から完成度を揃えず、下書きや確認事項を残すところまでを一区切りにする。短く区切って始める方法はあるが、決まった分数で必ず集中できるわけではない。

小さく分けたつもりで、準備する、とだけ書く者もいる。それでは、準備の準備を始められる。必要な資料を一つ開くのか、相手へ質問を一つ送るのか。最初の動作が見えれば、終わったかどうかも分かる。

堀内は、初登板の投球練習ではストライクが入らなかったのに、試合が始まると最初の球が入ったと振り返っている。準備の投球が全部うまくいってから試合を始めたわけではなかった。本人のその経験を、誰でも始めれば成功するという証拠にするつもりはない。

ただ、上司が新人へ渡す最初の仕事まで、完成品と同じ顔をしていなければ認めないのは、おかしい。下書きを出させず、最後に持ってきた物を見て、早く相談すればよかったと言う。相談が始まる前に、上司の合格を要求していたのは誰なのか。

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締切まで余裕がある仕事は、どう始めるか

完成の締切とは別に、最初に着手する時点と、途中の確認点を予定に置く。「火曜の午前に見出しを書く」「水曜に不明点を確認する」のように、進める内容を合わせる。予定へ書き足すだけで時間は増えないため、他の仕事と両立するかも確かめる。

どれを先にするか決まっていないなら、仕事の優先順位をつける基準を考える段階である。ここで扱っているのは、選んだ仕事へ手をつける話だ。順番を考え直すことで、同じ仕事の着手を毎朝見送っていては、予定だけが詳しくなる。

堀内への助言は、初登板の前日に伝えられたものだったという。最初のマウンドへ行った後で、そこで迷うと思っていたと説明されても、本人の準備には使えない。指導した側が事情を分かっていたことと、必要な時に渡したことは別である。

会社の上司が、自分の説明は最後にしたいと言うなら、その間に担当者が何を進められるかまで考える必要がある。最後に一番よいことを言う予定で、先に必要なことを止めていてはいけない。昔の名監督を語る前に、自分の助言が届く日を確かめることである。

始めても止まるときは、何を見直せばよいか

途中で止まった場所と、その理由を残し、次に再開する動作を決める。情報不足なら確認し、量や期限の問題なら範囲・分担を相談する。始められたかだけでなく、どこまで進んだかを見直す。疲労や心身の不調が続く場合は、仕事術だけで解決しようとせず、休養や適切な相談を優先する。

試したやり方を残すなら、仕事の振り返りに書く項目も関わってくる。昨日始められたのに、今日は止まった。それだけで失敗と数えるより、昨日と何が違ったかを見る。始めることと、何があっても進み続けることは同じではない。

堀内は、後のノーヒットノーランの試合で、藤田元司の四球の指示に反して勝負し、強い打球を打たれて叱られたとも話している。打球は守っていた外野手のところへ行った。よい結果で終わっても、途中の判断まで無条件に正しかったことにはならない。

ただし、昔の巨人で、その一球を投げた堀内を説明する話と、今の会社で確認を省いた担当者の話を、同じ欄に並べる必要はない。前者には、そこまで投げてきた球がある。若い者が自分も結果はよかったと言うなら、結果の前に説明できる仕事を、同じだけ用意してからである。

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まとめ

仕事の先延ばしを見直すには、止まる理由を分け、最初の動作を小さく決める。完成の期限だけでなく着手と途中確認の予定を置き、止まったら再開する場所を残す。情報・判断・仕事量の問題まで、やる気だけで引き受けない。

私は、始めるまでの説明が長い仕事には、最初に何をするかを一つ聞きたい。しかし、昔の巨人の初登板を語るときまで、最初の一球だけ聞けば済むとは思わない。誰に何を教わり、どの練習で投げたのか。その順序は省けない。

自分の仕事は小さく区切って、先に始めればよい。先輩の昔話を聞く時間まで、小さく区切ってよいという意味ではない。こちらは、その一球へ至る説明を、もう始めているのである。

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この記事を書いた人

何事も、まず基本から。聞かれていないことにも、答えはある。

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