写真は何千枚もあるのに、飾る一枚が決まらない。印刷しようと思った途端、サイズと用紙の名前が並び、また画面へ戻してしまう。撮ったことと、見返せる形へ出すことは別である。
私は紙にすることを、懐かしいからという理由だけで勧めない。誰に渡し、どこで見る一枚かがあれば、画面とは違う仕事がある。
自宅で出すか、店頭で受け取るかを先に決める
対応プリンターがあればメーカーの公式アプリなどから印刷できる。機器がなければ、コンビニのマルチコピー機や写真店などの対応サービスを使える。対応形式・用紙・料金・受取方法を選ぶ前に確認する。
自宅はプリンターとの接続と対応用紙、店頭はデータの登録方法や印刷番号・QRコードなどを確認する。どのサービスでも同じアプリを使えるわけではない。
松井秀喜は、長嶋茂雄へ三塁を守りたいと頼んだとき、中堅のままジョー・ディマジオのようになってほしいと言われたと語った。そのときは意味がよく分からなかった。後に長嶋の自宅でディマジオの大きな写真とバットを見て、監督がどれほど好きな選手へ自分を重ねたかを知ったという。
私は、その一枚を画素数だけで採点しない。そこへ何を託して置いたかがある。写真を印刷できるようになった部長へ、昔から置いてある一枚の場所まで、新着順へ並べ替える権限を渡すつもりもない。
写真は、保存枚数の多さだけで働くのではない。一枚がいつも見える所にあれば、話す人の基準まで示すことがある。昨日撮った写真ばかり上に出る画面には、まだ任せ切れない仕事である。
印刷したい写真と、使う用紙の大きさを選ぶ
印刷前に写真を絞り、L判・2L判など目的に合う用紙サイズを選ぶ。写真の縦横比と紙の形が違えば、ふちや切り取りが変わる。大きく出す場合は元画像の解像度も確認する。
キヤノンの公式アプリでは写真を選び、用紙設定などを確認してプリントする。店頭サービスでも用紙を選んで登録する方式がある。スクリーンショットや小さな送信画像より、手元の元写真を優先して確認できる。
大きい紙なら立派になると思って拡大し、粗くなった人物を眺めて機械のせいにする。もとの一枚を見ず、出来上がりの大きさだけ先に決めたのである。
長嶋が写真を置いていたことを、壁を埋めれば指導力が上がる話へ変えるつもりはない。ただ、昔の巨人の一枚を小さくし、今年の会議の集合写真だけ大きくする配置には、私は額の選び直しを求めたい。
プレビューで、切れる端・向き・枚数を見る
印刷前のプレビューで、顔や文字など必要な部分が端で切れないか、縦横と枚数が合っているかを確認する。ふちなし・ふちあり・切り取り設定は、アプリや機種の対応範囲で調整する。
一度に大量印刷する前に一枚で確かめれば、色や明るさの違いも見られる。スマホ画面の発光と紙の見え方は同じではない。色の一致を無条件に保証するものではない。
端の人だけ欠けた写真を、中央の上司がよく写っているから合格とする。そういう確認なら、誰のための一枚かは明白である。
私は、一緒に仕事をした者を切り落としてまで、画面いっぱいに揃える必要はないと思う。もっとも、巨人の昔の写真なら、端に誰がいるかから説明が始まることもある。その説明が長いから人物を減らす、という順番にはならない。
店頭の番号と、印刷した写真を置き忘れない
店頭ではサービスの期限内に、登録時の案内に従って番号やQRコードを使う。個人の写真を扱うので番号を不用意に共有せず、受取口・原稿台・端末に写真や私物を残さない。
クラウドへ登録する方式なら保存期間や削除の案内も確認する。他人や仕事の情報が写っている写真は、利用してよい範囲を先に確かめる。
データを送れたことで満足し、出てきた写真を機械に置いて帰る。便利になったのは途中の操作であって、持ち帰るところまで機械がしてくれるのではない。
写真を飾る場所がないなら、一枚ずつ選べばよい。だが昔の巨人の写真を片づけて、何も置かないことを落ち着いた部屋と呼ばれても困る。私には、説明する物が見える部屋の方が落ち着く。
まとめ
スマホ写真は自宅・店頭の方法を選び、用紙と元画像、プレビューの切り取り・向き・枚数を確認して印刷する。登録番号と出来上がりの写真まで、自分で管理する。
松井は、ディマジオになれという長嶋の言葉を、家にあった写真とバットから受け取り直した。一枚が、教えた人間の基準を後から語っていた。私は、撮影日が新しい順だけで壁を埋めない。
写真は、見る場所と渡す相手に合う一枚を選んで印刷すればよい。その一方で、今の部長の集合写真が大きいからといって、古い巨人の一枚を端へ送る必要はない。額の大きさより先に、そこで何を教えるかがある。
端の人物を省けば収まるという係には、その人物を知っている者の話を聞いてもらいたい。説明が長いなら、展示の日程を少し後へ送ればよい。昔いた人間を切り落として、新しい配置だけ予定どおりにしても仕方がない。
何も置かない壁を、私は落ち着いていると必ずしも数えない。説明できる一枚が残っていればよい。私の部屋の中心を、写真の更新日時へ明け渡す理由はないのである。











