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傘の手入れ方法|濡れたままにしない乾かし方と保管の注意点

窓辺の日陰で開いた傘と、乾いた布を描いた水彩画

傘は、雨がやむと急に待遇が悪くなる。さしている間は手放せなかったものを、帰るなり縛って玄関へ押し込む。次の雨の日に、なぜか臭うと文句を言う。

私は、新しい傘を探す前に、昨日の傘がどこにあるかを見たい。撥水という言葉は覚えていても、乾かしたかどうかは覚えていない。それで製品の進歩だけを待つのは、道具にずいぶん仕事を任せている。

目次

雨の後は、水を切ってから陰干しする

周囲の人や物に注意しながら水を切り、風通しのよい直射日光を避けた場所で広げて乾かす。生地や骨が乾いてから束ね、濡れたまま袋やケースへ長く入れない。製品固有の説明があればそちらを優先する。

  1. 帰宅後、傘を安全に広げられる場所を確保する。
  2. 無理に振り回さず水を落とす。メーカー指定の水切り方法があればそれに従う。
  3. 陰干しし、生地・骨・折り目に水分が残っていないか確かめる。
  4. 乾いた後に、無理なく畳んで保管する。

帰り道で働いた道具に、帰宅後の居場所がない。玄関の傘立てに入っているから片づいたと呼ぶのだろうが、片づいたのは持ち主の用事だけである。

高田繁は、巨人で三塁を守った五年間、一つの青いグラブを試合で使い続けたと語っている。外野のグラブは色がくすめば替えることもあったが、三塁では違った。打球の勢いを受け止め、つかむ感覚が、簡単には別の一個へ移らなかったのである。

青かった色は黒ずみ、使ううちに張りも落ちた。それでも高田は状態を調整し、練習には別のグラブを使って、試合の一個を残した。見た目がきれいだから同じように使えるという話ではなかった。引退後は、作り手の坪田信義へそのグラブを渡している。

私は、道具を何年使ったかという表だけで、買い替えを決める管理職を高くは買わない。高田の一個と、手入れをせず放ってあった一個を、同じ古い備品という欄へ入れる。その表を作る前に、誰がどう使ってきたのかを覚える仕事がある。

布の傘とビニール傘を、同じ方法で扱わない

乾燥は共通の基本だが、洗い方・加熱・薬剤への対応は素材や加工で違う。特にビニール傘へドライヤーの熱風を当てない。布傘でも、すべての製品に熱処理が適するとは限らない。

種類・状態確認したい点
布の雨傘洗えるか、洗剤や温風が使用できるかを取扱説明で確認。
ビニール傘熱風を避け、十分に陰干し。表面を強くこすらない。
折りたたみ傘折り目と骨の周りも乾燥させ、乾いてから収納袋へ。
遮光・特殊加工品加工に合う手入れを確認。自己判断でスプレーや熱を加えない。

布だから全部同じ、透明だから全部同じ。そうやって扱いをまとめる人が、買う時には微妙な仕様の差を熱心に比べる。違いを勉強する時期が、支払いの前だけに偏っている。

高田のグラブが黒くなったという説明だけを聞けば、新しい物を渡せば済むと思う者もいるだろう。私は、その程度の判断なら、用具を任せるのはまだ早いと思う。古い道具の状態を、使ってきた先輩より先に決めつける。新品の一覧を作れたことと、用具係になれたことは違うのである。

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汚れは強くこすらず、製品に合う方法で落とす

表面の軽い汚れでも、まず水洗い・洗剤の可否を確認する。洗える製品なら指定方法で優しく洗い、洗剤が残らないよう流して乾燥させる。漂白剤や強い溶剤を自己判断で使わない。

撥水が弱いことと、生地の破れ・コーティングの劣化は同じではない。スプレーを使う場合も傘と薬剤双方の表示を確認し、換気・火気など製品の注意事項を守る。手入れで必ず元の性能に戻るとは限らない。

きれいにしたいから強く磨く、早く乾かしたいから熱を当てる。持ち主の熱意と、道具が耐えられることは別である。熱心だったから傷んでも仕方ないという言い訳は、道具には通じない。

高田の調整方法を家庭の傘へそのまま使う話ではない。素材ごとの手入れは別に確かめる。そのうえで、買い替えを提案する側にも、長く使ってきた人間の説明を聞く順番はある。新しい傘の説明書を先に読んだからといって、古い傘を片づける権限まで手に入ったと思われては困る。

乾いた後の保管場所と、修理する目安

乾いた傘は高温多湿や長時間の直射光を避け、押しつぶされない場所に置く。骨の変形、開閉の引っかかり、生地の破れがあれば無理に使わず、販売店やメーカーへ修理可否を確認する。

毎回なくす傘と、手入れをしない傘では問題が違う。持ち出しと戻す場所の話は忘れ物を減らす方法で分けている。乾かす場所が一つ決まれば、玄関に何本も増やす必要があるかも考えやすい。

私は、古い道具が残っているからといって、管理が遅れているとは決めない。破損や乾燥の確認をしたうえで、誰がその一本を使ってきたかを聞く。傘立てを新しくした担当者が、以前からそこへ置いてきた人間の順番まで変える必要はない。置き場所の改革より先に、昔の用具係から話を聞く仕事が残っている。

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まとめ

傘は使用後に水分を落とし、風通しのよい日陰で乾かしてから保管する。洗剤・温風・スプレーは一律に使わず、素材と製品の説明で判断する。

高田は、青い三塁用のグラブが黒ずんでも使い続けた。練習には別の一個を使い、試合の感覚を残した。古い一個を取っておくことにも、それを使うための仕事があったのである。

傘も、乾燥や破損の確認を済ませた後で、誰がどの一本を使ってきたかを聞けばよい。新しい傘を買う担当になった人間が、古い一本の扱いまで、自分の表だけで決めることには私は賛成しない。

用具を長く見てきた先輩がまだ使い方を説明しているのに、新品の仕様をかぶせて話を終わらせる。私は、その担当者を先輩の所へ戻したい。高田のグラブを古いという一語で片づけるような聞き方から、直す必要がある。

手入れの項目を全部チェックしたというなら、その項目を誰から教わったのかも説明する。道具のことは覚えても、教えた人間のことを省くのでは、用具を任せるにはまだ落ち着きが足りない。

雨がやみ、傘が乾けば、その日の使用は終わる。だが、用具を預かる人間の教育まで、天気と一緒に終わったことにはならない。昔の担当者がよいと言うまで、そちらの引き継ぎは続ければよいのである。

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何事も、まず基本から。聞かれていないことにも、答えはある。

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